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2016年3月1日火曜日

歓迎光臨!! WRCの新チーム妄想

今回はWRC、世界ラリー選手権の話。
興味ない人は全然おもしろくないと思うので読まないでOK

こんにちはひわいです。




突然ですけど、WRC参戦中のフォードの話。


名門フォードと、WRC参戦ワークス(自動車メーカー直属)チームのうち
もはや唯一となった、メーカーから業務委託を受けて
マシン開発&チーム運営を行う英国のファクトリー
Mスポーツ」について考えてみました。





というのも、ここ最近フォード(から委託を受けてるMスポーツ)は
とにかく成績が出ない。理由は単純でお金がないから。

大元のフォードが不況の煽りで全然お金を出してくれない上に
元々ついてたアブダビ観光局とかのスポンサーもライバルに流れてしまい
なんとか参戦するのがやっと、と言う状況。



でも、もともとMスポーツは技術力が抜群にあるチームで
2003年にはラリー界の常識をひっくり返すような斬新なマシン
「フォーカスWRC03」を出してきてたし、その設計思想は今でも健在。


(どれくらいすごいかというと、携帯電話でいうとiphone登場くらいのレベル)




2006年、2007年にはチームタイトル
(正式にはマニュファクチャラーズタイトル)を取ってるくらい、チーム力も高い。
なんたってチーム創業者&トップは元WRCワークスドライバーのマルコム・ウィルソン。

Mスポーツは1997年から継続してフォードのチーム運営&マシン開発を
続けてきていて、膨大なノウハウを蓄積し続けてるのも強みですね。
これほど長期間WRCに参戦し続けてる企業は他にはないんですよ。



1990年からスバルの委託を受けて参戦を続けてたプロドライブは2008年で撤退
そのあとBMWから委託を受けてミニを走らせてたけど、これも2年くらいで撤退。

いまWRCに参戦してるワークスチームではフォードを除くすべて―
シトロエン、フォルクスワーゲン、ヒュンダイはメーカー直営のチーム。
メーカーの手厚い援助はもちろん、研究施設やデータが使えるのも嬉しい。
けどメーカーが参戦をやめることは、チームのノウハウ・人材のリセットに直結する。
めちゃくちゃもったいない話ですよね。

だけど、業務委託受けるファクトリーは、メーカーが変わっても
継続してノウハウ・人材を維持できるのが強いんですよ。


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そんな状況で、やはりMスポーツがなにもしてないわけではなくて
フォードに代わるパートナーを探しているんだとか(出展:Rally+2016年第9号)

とくに今のルールだと、改造範囲はすごい自由だし
とくにエンジンは競技用にゼロから開発したのを使えるから
フォードがベースじゃなくなっても、そのままパーツとかノウハウを使えるらしい。
とりあえずサイズが似てるハッチバックならなんでもいいらしい。

昔みたいに、市販車の設計に左右されるところがとても少なくなったので
参戦するメーカーに一番大事なのは、マシンのベースにぴったりな車を持ってることより安定してお金を出してくれるかどうか、これが今の時代は一番大事なんでしょうね。


そこで…フォードに代わるMスポーツのパートナー
つまり新しいWRCワークスメーカーはどこになるのかを考えてみました。


①日本メーカー





トヨタが来年からWRCに復帰!で活気づいてきてるけど
同時に、トヨタ系列のダイハツ、スバルがWRCに行くことは100%無い。
(同じグループで戦ってたプジョーとシトロエンのケースがあるけど…)
スズキは一時期やってたけどたったの2年で撤退。復活は無さそう。
ホンダはF1があの状態だしそもそもラリー全然やって来なかったし。
三菱はエボXを生産中止にしたくらいだしもう何もかも絶望。
日産はGTとル・マンで忙しい。



三菱はスウェーデンの会社が独自に開発したミラージュR5があるけど
三菱本社のサポートが全然足りてないようで…



そんな中で唯一面白そうだし、ありえそうなのがマツダ。
かつてはラリーを客観したメーカーだし、ヨーロッパが主な市場ですものね。
(グループAで日本車初優勝は実はファミリアなんですよね)



さっそく海外じゃ、現行デミオベースのマシンが作られてるみたい。すごいね。
スカイアクティブで最近すごい元気なので、いいんじゃないかと。
今は他に大きなカテゴリーに参加してないですしね。



問題は、モータースポーツなんかやらなくても
もう十分すぎるくらいブランドイメージが高いってことかなぁ。

あと、よく調べると
アメリカでプロトタイプレーシングカーつくって参戦してるってのを思い出した。
うーん、やっぱマツダはレースがお好きなのかな?





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②ルノーグループ

次は最近、ワールドワイドに拡大してるルノーグループ

日本でも日産がそうだし、韓国のサムスン、ルーマニアのダチア
ロシアのラーダも傘下に入ってどんどん勢い増してんな―と思います。

で、モータースポーツにも積極的に参加していて
F1にはルノー、GT3とスーパーGTに豪V8に日産、
WTCC(世界ツーリングカー選手権にラーダが参戦中。
しかも、どのカテゴリーでもしっかり活躍してるんですよね。








そこで、ダチアですよ。
まだまだブランドイメージの強化も要るだろうし
WRCはダチアが主戦場にしてる途上国での開催も多いわけで。




でも、ダチアはすでにアイスレースとかパリダカとか
パイクスピークに出てたりするから、WRCに出すまでもないのかなぁ。
ダチアがWRCに出てくれれば「Good NEWS!」なんだけどなー個人的には。






③中国


で、色々考えたけど
やっぱりぴったりなのは中国の自動車メーカーだと思うんですよ。

なんたって、じつは自動車の生産台数は世界一の中国
近年までは、海外の大手メーカーと契約して生産するばかりだったけど
最近は独自開発のクルマも結構出てきてるし
デザインもオリジナリティがあってカッコ良かったり、
海外の有名メーカーを買い取ったりで結構すごいんですよ、中国の自動車産業。

あとは、信用。つまりブランドイメージだけなのかなと。





ヒュンダイがいま、世界のトップ5のメーカーに成長したのって
密かにWRCに参戦したことが結構大きいんじゃないかなーと思ったり。
いや、それはさすがにラリーファンの思い込みか。



でもなんか、三菱車のライセンス生産ばっかりやってた90年代までのヒュンダイが
独自のデザインと設計で世界の大メーカーの一員にまでぐんと成長したのって
WRCに参戦開始した90年代終わりくらいからな気がするんですよねぇ。
(と思ったら、前のブログで似たようなこと書いてた。

でもやっぱ、ラリーにワークス参戦してると
「あ、ちゃんと使い物になるクルマなんだな―」って思えると思うんですよ。
正直中国メーカーの自動車とかこわいじゃないすか。
ヤフオクで売ってる「100TBって言ってるけど100MBしかないHDD」みたいな怖さ。

でも、プロスポーツの世界で使われてるって聞くとなんか安心しちゃう。

よく知らないブランドのバドミントンのラケットが激安で売ってると
子供のおもちゃみたいなもんかと思っちゃうけど
プロ選手が使ってるブランドなら「中学生の部活用くらいにはいいかも」と思える。
そんな感じかなと。

ラリーは一般道を走るから、たくさんの地元民を観客にすることが出来る。
道だって舗装の峠から砂利道、はては雪の上とか川渡りまでやる。
だから大衆車の品質とか耐久性のアピールにはもってこいなんですよね。


////////

そんなわけで100以上の自動車メーカーが群雄割拠する中国で
特にビッグなメーカーで、しかもベース車にぴったりなのはどれか考えてみました。





【吉利汽車 C5】
ボルボをフォードから買収してる因縁のメーカー。
ちなみにMスポーツのレキ(ラリー前の下見)車両がボルボなのは有名ですよね。




中国だけでなく海外にも展開していくみたいだし、ありえるかも。
ってかもういっそボルボで出ちゃえばいいのよね。




と思ったら、今年からWTCCに参戦するんですねボルボ
これは知らなかった…これじゃあWRCはないかなー。


・・・






【上海汽車 MG3】
イギリスの名門自動車ブランドを持ってる上海汽車。
MGはWRCにワークス参戦してたし、Mスポーツはイギリスの会社だし色々面白そう。
中英のタッグ。まさに「ラストエンペラー」「覇王別姫」ですね。







とくに現行型のMG3はサイズ的にぴったりで、
ネットで調べたらイメージイラストが出てくるくらい。
みんな考えることは一緒なのね。



MG world rally team…うーん、いい響きだ。
スポンサーにはBP、ヴァージンエアー、Vodafone、上海香港銀行、
そしてダイソンあたりがピッタリ。




でもMG、BTCC(英国ツーリングカー選手権)出てるのね。
このメーカーもツーリングカーに力を入れてるとすると
WRCはないのかなぁ…



・・・

そこでもう一個、面白そうなのが



北汽福田汽車 BAIC D20】

北汽福田汽車は元々ダイムラーとヒュンダイの合弁で出来た会社で
ベンツやヒュンダイ、ジープチェロキーなんかを作ってるんですね。

中国の自動車ブランドで4位にランクイン。
インドやコロンビアに工場を建てる計画もあり、海外展開もどんどん進みそう。



しかも中国選手権にワークスで参戦してたりしてて、メーカーの熱意もありそう。
とくに新型のD20なんかサイズ的にぴったりだし良いんではないかと。
(ベンツのBクラスに似てるなと思ったらベンツと提携してるもんね。)

ここはハイエースのコピーとか作ってて、
いわゆる「中国パクリメーカー」としてよく挙げられてたんだけど
独自のデザインのクルマも開発してて、どんどんと「ちゃんとしたメーカー」
になりつつあるなーと思うんですよ。この感じ、すごいヒュンダイっぽい。

ただの悪質なコピーメーカーからの脱却
それにはやっぱ「世界選手権に参戦してる」ってブランドはすごい強いはずだよなと。


////////



そんなわけで、フォード撤退後にそのまま「超お得物件」Mスポーツとくっついて
中国メーカーには是非WRCに参戦して欲しいんですよねぇ。

しかも今年から中国でWRC開催が決定!久しぶりのアジア圏開催。
中国は1999年にも開催してて、実は日本よりも先にWRC開催してたんですよね。





実は中国ってラリー大国で、85年から香港〜北京ラリーをやってたり
1992年にはパリ・モスクワ〜北京ラリーをやってたり
日本よりもずっと前から国際ラリーの開催実績があるお国なんですよね。








いまの中国ラリー選手権もすごいハイレベルで
なによりイベントの規模がすごい。ヨーロッパ選手権並みに見える。
少なくとも写真を見る限りでは。



すごいのが、フォルクスワーゲンがWRCに参戦してるポロとはまた別に
プロドライブに委託してゴルフベースのマシンを投入してるんですよ。
ドライバーは元WRCドライバーのクリス・アトキンソン!
対して三菱資本の東南汽車はギャランベースのマシンを投入(エボⅩとは別物)
どちらも中国独自の規定で作られたものですが、なんだかワクワクしますね。




元WRCワークスドライバーの投入、元WRCワークスチームによるマシンの新規開発
そしてイベントの規模。そしてWRCの一戦への復帰。
どれをとっても中国のラリー選手権はとてもプロフェッショナルです。


////////


ちょっと前までは、中国の自動車産業を見下してる記事が雑誌でもたまに見かけたけど
そういう時代はもう終わってしまったのかなと思います。

低価格だから台数が売れてるってだけでなく
ブランド力やデザイン力でも、もはや韓国メーカーに負けてる
日本のメーカーも出てきているし、次は中国メーカーに負けるところも出てくるかも。

そんなわけで、中国のメーカーがWRCに参戦すれば
ブランド力アップでハッピー、委託受けるMスポーツもハッピー、
中国のイメージアップで共産党もハッピー(打倒小日本)

そして日本企業も危機感覚えて頑張ってくれる。日本もハッピー。


そんなわけで、WRCの名門ラリー開発会社Mスポーツを
さっさとフォードから買い取っちゃって、中国の自動車メーカーが参戦して欲しい。
僕的には「歓迎光臨!」って感じなんですけどね。

いちラリーファンの妄想でしたが、皆さんはどう思いますか?





追記:インド



書き忘れてたけど、インドも面白い。
インドのMRFタイヤは自前のチーム持ってて
アジア・パシフィックラリーでもお馴染みだし
インド国内でもラリーも結構盛んらしいよ。お金持ちも多いらしい。






そんなインドの自動車メーカー、タタが気合入れて、
新しく「ジカ」ってコンパクトカー売りだすんですって。
最近話題の「ジカ熱」と名前が被ってて問題になってますけど。
ティアゴって名前に変更になったそうです
これもラリーマシンのベースにぴったりですね。





タタは世界最安、28万円の新車「タタ・ナノ」を売りだして話題になったんですが
一方でジャガーランドローバーをフォードから買い取ってるんですよね。
タタ傘下になってからのモデルが、以前よりも高い評価を得てるのが面白い。





ナノは徹底的にコストダウンして作られたクルマなので
品質的にギリギリなところもあって「タタ=低品質」みたいな誤解を受けがちだったけど
ジャガー、ランドローバーを作ってるところからも、本気出せば
ちゃんと高品質なクルマが作れるんですよね。

次はタタ自体のブランドを構築するフェーズなのかなと。
中国も面白いけど、やっぱインドも見逃せないと思いました。



2 件のコメント:

  1. いつもこのブログ楽しく拝見させていただいてます

    フォード車の話題が最初に出たので、今回の記事の内容とは逸れちゃうんですが、フォードの日本からの撤退が決まりましたね

    フォーカスなど、最近はいいなと思う車を結構出してただけに残念です
    やはり日本人は外車を買う場合、ブランドで買う方が多いので、日本では難しかったのでしょうか

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    1. フォードの日本撤退は残念ですが、一般の消費者目線で考えると
      当然の結果かなという気もしています。
      車自体の作りは良いものの、1㍑ターボのフィエスタが240万円前後というのは
      正直コストパフォーマンスとしては最悪だなと思います。

      いくらフォードが欧州で高い評価をされてるとはいえ
      それは現地の価格と、車格の割には良いと言う話なのかなと思います。
      日本にはプレミアムコンパクトならデミオ、ブランドならベンツAクラス
      コスパと使い勝手ならフィットかワゴンR、燃費ならプリウスと
      強豪があまりにも揃いすぎているので居場所はないと思います。

      現にフォードが無くなってもごく一部のファンが残念がってるだけで、
      それほど市場には大きな影響がないし。
      アメ車ファンはクライスラーとシボレーがあるので問題なし。
      欧州フォードは日本で勝負するには厳しすぎた気がします。

      でも、未だにKAは世界一かっこいいハッチバックだと信じてるし
      マツダベースの日本フォードのクルマはどれも個性的で大好きでした。
      やっぱクルマヲタとしては寂しいですね、残念です。

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